ピル(低用量ピル)の作用について
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を1日でも飲み忘れると効果がなくなるのでしょうか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を2日間飲み忘れた場合は、気付いたときにすぐに飲んで、あとはそのまま続けてください。低用量ピル(低用量経口避妊薬)を3日以上飲み忘れて性交(セックス)すると、緊急避妊が必要になる場合もあります。低用量ピル(低用量経口避妊薬)を処方してもらっている医師にすぐに確認してください。
将来赤ちゃんがほしいのですが、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むと妊娠しづらくなると聞きました。
心配はいりません。むしろ低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲み終わった後は、妊娠しやすくなるというデータもあるくらいです。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むことによる副作用を教えてください。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲み始めた頃に、軽い吐き気や不正出血がある人がいますが、ほとんどの場合は数日で収まります。
ピルの服用で、がんになると心配する人もいますが、むしろがんの発生は低下するようです。35歳以上のヘビースモーカーの方が服用すると、心筋梗塞の頻度が上昇することがわかっているので、ピルを服用するのであれば禁煙しましょう。
また、ピル服用時に長時間同じ姿勢でいたり、水分をとらないでいたりすると、静脈血栓症(エコノミー症候群)のリスクが上がります。ときどき立ち上がって歩いたり、適度な水分をとったりすることを心がけましょう。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むと太ると聞きました。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用しても体重が増加することはありません。低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むことで、体調が良くなり、食欲が増すことはあるかもしれません。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)の避妊効果が高いって本当ですか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を毎日同じ時間に飲み忘れずに飲み続けた場合、妊娠する人は100人の女性のうち0.27人/年(つまり避妊に失敗するということ)といわれています。ちなみにコンドームの場合は2〜5人ですから、いかに低用量ピル(低用量経口避妊薬)の効果が高いかおわかりいただけると思います。
妊娠に気付かないまま低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用していました。おなかの赤ちゃんに影響はありますか?
妊娠に気付かずに低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲んでいたとしても赤ちゃんに影響が出ることはありません。もし妊娠に気付いたら低用量ピル(低用量経口避妊薬)の服用は中止してください。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むことで、旅行に出かけるときなどに生理(月経)の時期をずらすことができますか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用することで、生理(月経)時期をずらすことが可能です。
また低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用することで生理(月経)の不快な症状を軽減することもできます。旅行予定日の2~3カ月前を目処に産婦人科を受診して相談しましょう。
ピル(低用量ピル)の処方について
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を処方してもらうときに、診察や内診をしなくてはなりませんか?
リスクがない方は、問診と血圧測定を実施するだけで、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を処方できます。しかし安全な状態で低用量ピル(低用量経口避妊薬)を使用するためには、半年に1度程度の血液検査と1年に1度を目安に宮がん検診をお勧めします。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)はどこで買えますか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を入手するには医師の処方箋が必要です。必ず医療機関に行き、服用に問題がないかどうかのチェックを受けたうえで処方してもらいましょう。
ピル(低用量ピル)その他について
面倒で低用量ピル(低用量経口避妊薬)を毎日飲むのを忘れてしまいそうです。
たとえば、食事のとき、歯を磨くときなど、毎日必ずすることと一緒に低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むようにしてはいかがでしょうか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むのが習慣になるまでは、スマホや携帯にアラームをセットしておくのもお勧めです。
友達にもらった低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲んでもいいですか?
低用量ピル(低用量経口避妊薬)の種類によっては服用方法が異なる場合があります。場合によっては低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲んではいけない人もいるので、必ず医師の診察を受け処方してもらうようにしましょう。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)に保険は適用されますか?
健康な女性の避妊が目的の場合、保険は適用されません。
しかし、子宮内膜症を伴う月経困難症や機能性月経困難症の治療目的での低用量ピル(低用量経口避妊薬)処方は保険適用となります。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲むのに年齢制限はありますか?
特に病気がない女性であれば、医師が必要と診断すれば10代でも服用してかまいません。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用することで思春期に多い月経困難症をコントロールしたり、子宮内膜症を予防したりする効果があります。
40歳以降でも、閉経前の人は妊娠の可能性があります。喫煙経験がない健康な女性が避妊を希望する場合は、医師の診断の下に低用量ピル(低用量経口避妊薬)の服用は可能です。
また更年期障害や骨粗しょう症、高脂血症などの予防改善も期待できます。
監修
医療法人皓慈会 浅川産婦人科理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年 | 東邦大学 医学部卒業 |
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1999年 | 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
2007年 | 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院) |
2007年 | 日本産婦人科医会 幹事 |
2009年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事 |
2017年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長 |