2019/04/10 更新
アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても、妊娠を完全に阻止することはできません。アフターピル(緊急避妊薬)は、低用量ピル(低用量経口避妊薬)の飲み忘れや腟外射精、コンドームの破損・脱落、不適切な使用のときなど<避妊に失敗した>、または避妊をせず性交(セックス)した際に緊急的に用いる手段です。
アフターピル(緊急避妊薬)は、計画的な避妊を目的とする通常の低用量ピル(低用量経口避妊薬)とは目的が異なります。妊娠を望まないのであれば、日頃からパートナーと話し合い、避妊効果が高いとされる低用量ピル(低用量経口避妊薬)などを用いた避妊を心がけましょう。
- 自己判断により、アフターピル(緊急避妊薬)の量を増やすなどすると、悪心や嘔吐、出血などの症状が現れるケースもありますから、必ず医師の診断を受けてください。
- アフターピル(緊急避妊薬)服用後の不正性器出血や妊娠初期の出血は、生理(月経)と区別できない場合があります。もし、アフターピル(緊急避妊薬)服用後に出血がみられた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
- 服用後2時間以内に嘔吐した場合は、再度、アフターピル(緊急避妊薬)の服用が必要となります。できるだけ早く主治医に連絡、診察を受けてください。
- アフターピル(緊急避妊薬)は、性交(セックス)から72時間以内に服用することで、高い妊娠阻止率が期待できます。とはいえ、72時間を超えても120時間以内に服用すれば、ある程度の避妊は阻止できますので、医師の診察を受けてください。
- レイプなど性被害に遭ってしまった場合は、性感染症感染の可能性もありますので、アフターピル(緊急避妊薬)を服用するのと同時に、産婦人科や保健所などで、性感染症についての検査を実施することをお勧めします。
繰り返しになりますが、アフターピル(緊急避妊薬)の目的は、望まない妊娠を避けるための緊急避妊です。通常の避妊に用いるべきものではないことをご理解ください。
監修
医療法人皓慈会 浅川産婦人科理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年 | 東邦大学 医学部卒業 |
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1999年 | 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
2007年 | 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院) |
2007年 | 日本産婦人科医会 幹事 |
2009年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事 |
2017年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長 |