アフターピル(緊急避妊薬)服用後に注意することについて説明します。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後、2時間以内に嘔吐してしまうと、薬が体内に吸収できずに避妊効果が低下する恐れがあるため、再度、アフターピル(緊急避妊薬)を服用する必要があります。速やかに医師(病院)へ連絡、指示を仰いでください。その際は、空腹時に服用すると吐き気が起こりやすくなるので、なるべく食後に服用するとよいでしょう。

緊急避妊をした場合でも、その後に避妊をせずに性交(セックス)をすれば、妊娠する可能性があります。アフターピル(緊急避妊薬)服用後に性交(セックス)する場合には、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用するなど、確実な避妊を心がけるようにしましょう。アフターピル(緊急避妊薬)で1度妊娠が防げたとしても、「アフターピル(緊急避妊薬)があるから大丈夫」など安易に考えるのは違います。自分の身体を守るために、日頃からパートナーと、最適な避妊方法を話し合ってください。特に、アフターピル(緊急避妊薬)は、エイズ、梅毒、淋病、クラジミア、ヘルペスなどの性感染症を予防することはできません。その点も含めて、十分に避妊法について考えましょう。

アフターピル(緊急避妊薬)で完全に妊娠が回避できるものではありません。アフターピル(緊急避妊薬)は中用量ピルですから、人によっては吐き気や嘔吐などの副作用が出ることもあります。「低用量ピル(低用量経口避妊薬)は面倒だ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、習慣にさえしてしまえばそんなことはありません。基本は、パートナーと協力しながら、自分の身体を守るための避妊であるべきだと思うのです。避妊法についてはお気軽にご相談ください。

アフターピル(緊急避妊薬)を服用後の生理(月経)が予定日から1週間以上遅れている場合は、市販の妊娠検査薬等で、妊娠をしていないか確認のうえ、受診することをお勧めします。

アフターピル(緊急避妊薬)は、約1週間で体外へ排出されます。身体への影響はありませんから、将来、妊娠を希望する際の心配はいりません。

監修

医療法人皓慈会 浅川産婦人科
理事長・院長 浅川恭行

経歴

1993年東邦大学 医学部卒業
1999年社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
2007年東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院)
2007年日本産婦人科医会 幹事
2009年医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事
2017年医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長