2018/12/06 更新
避妊を含めて、女性にとって欠かせない低用量ピル(低用量経口避妊薬)ですが、血栓症や心筋梗塞などの副作用を引き起こす可能性があるため、まれに処方ができないケースがあります。
静脈炎、血栓・塞栓症、エストロゲン依存性腫瘍、高脂血症、慢性的な頭痛、糖尿病、内分泌疾患、肝臓・胆嚢疾患、喫煙、高血圧症、肥満、低用量ピル(低用量経口避妊薬)の作用に影響を及ぼす薬剤の服用などは、低用量ピル(低用量経口避妊薬)服用に対するリスクがあるといわれています。
以下、健康上のリスクがあり低用量ピル(低用量経口避妊薬)を容認できないケース(WHO分類による)を紹介します。
- <母乳栄養>分娩後6週以内
- <喫煙>35歳以上で、1日15本を超える喫煙者(当院では本数に関わらず処方しません)
- <心血管疾患>動脈系の心血管疾患に関するもろもろの危険因子がある
- <高血圧>収縮期160mmHg、拡張期100mmHgを超える
- <静脈血栓塞栓症>罹患または既往歴がある
- <長期の安静臥床を要する大手術>
- <虚血性心疾患患者>
- <脳卒中>
- <心弁膜疾患>肺高血圧合併、心房細動、亜急性細菌性心内膜炎歴
- <片頭痛>年齢に関わらず局在性神経徴候を有する
- <乳房疾患>乳がん患者
- <糖尿病>腎症、網膜症、神経障害または他の血管疾患があるか、20年を超える糖尿病患者
- <肝硬変C>重症で非代償性
- <肝腫瘍>良性または悪性
診察時には、本人および家族の該当する疾患の既往歴を医師にお伝えいただいたうえで(問診時に医師から説明があります)、問題がないと医師が診断した場合は、低用量ピル(低用量経口避妊薬)が処方されます。
監修
医療法人皓慈会 浅川産婦人科理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年 | 東邦大学 医学部卒業 |
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1999年 | 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
2007年 | 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院) |
2007年 | 日本産婦人科医会 幹事 |
2009年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事 |
2017年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長 |