2019/05/14 更新
低用量ピル(低用量経口避妊薬)服用時の注意
低用量ピル(低用量経口避妊薬)は、医師の診察、管理下で、十分注意して服用することが重要です。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を入手するには医師による処方せんが必要
低用量ピル(低用量経口避妊薬)は、健康な女性であれば問題なく服用できますが、なかには適さないケースもあるため、医師の診察や血圧測定などの健康状態のチェックが必要です。また医師の判断で血液検査や尿検査などを行うケースもあります。なお、避妊のための低用量ピル(低用量経口避妊薬)処方は、健康保険の適用外となります。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用すると副作用が現れる可能性も
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲み始めて1、2カ月ころに、吐き気や頭痛、嘔吐、乳房の張りや痛み、不正性器出血などの症状が現れることがあります。これらの症状は多くの場合、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を飲み続けることで軽減していきます。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)の服用で血栓症が起きる可能性も
ごくまれにですが、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を服用することで、血液中に血のかたまりの(血栓)ができ血液の流れが悪くなる「血栓症」が起きることがあります。しかし、その頻度は年間10万人あたり2~8人程度とごく低いので、必要以上に心配することはありません。もし、ふくらはぎに痛みやむくみ、激しい頭痛など血栓症が疑われる症状が現れた場合は、すぐに低用量ピル(低用量経口避妊薬)の服用を中止して、医師の診察を受けてください。特に喫煙者は低用量ピル(低用量経口避妊薬)の服用で血栓症が起こりやすくなるので特に注意が必要です。
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を処方できない場合
以下のような方は、ピルの処方をお断りさせていただく場合があります。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- 前兆を伴う片頭痛がある方
- 45歳以上の方
- 高血圧や糖尿病などの病気がある方
- たばこ(10本以上/日)を吸う方
※低用量ピルを服用する場合には、事前に禁煙期間をとっていただく必要があります。 - 肥満(BMI30以上)の方
など。
定期検診を忘れずに
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を安全に飲み続けるためはもちろん、自分の健康を守るため、乳がんを早期発見するためにも、定期的な検診をお勧めします。
性感染症を予防するためには、低用量ピル(低用量経口避妊薬)とコンドームの併用がオススメ
避妊に大きな効果をもたらす低用量ピル(低用量経口避妊薬)ですが、エイズやクラミジアなどの性感染症は予防できません。できる限り低用量ピル(低用量経口避妊薬)とコンドームの併用をオススメします。
監修
医療法人皓慈会 浅川産婦人科理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年 | 東邦大学 医学部卒業 |
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1999年 | 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
2007年 | 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院) |
2007年 | 日本産婦人科医会 幹事 |
2009年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事 |
2017年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長 |