プラセンタとは何ですか?

プラセンタとは、母体と胎児をつなぐ「胎盤」のことです。
胎盤には、生命の源となるアミノ酸、三大栄養素のタンパク質・脂質・糖質や生理活性成分であるビタミン・ミネラル・核酸・酵素など、胎児が母親の胎内で生育するのに欠かせないあらゆる栄養素が含まれています。

注射に使われるプラセンタは、美容や化粧品に使われるのプラセンタと違うのですか?

医療機関で投与するプラセンタエキスは、有効成分が高く、質の良い、安全なヒト由来のプラセンタですが、美容や化粧品に使われるプラセンタは、ヒト以外の豚や馬の胎盤がほとんどです。

プラセンタに含まれている有効成分を教えてください。

プラセンタにはさまざまな活性成分が含まれています。なかでも医療用薬品としての「細胞増殖因子」「サイトカイン」及び「RNA(リボ核酸)」に注目、これらの有効成分を中心に抽出しています。

<細胞増殖因子>
細胞の設計図ともいえる遺伝子情報を運ぶ物質のこと。胎児を約10カ月で新生児まで成長させるプラセンタは、細胞増殖因子の合成・分泌を繰り替えしながら、胎児に与えています。ヒトは生まれて成長しながら、老化した細胞の新陳代謝を促す細胞増殖因子を作り続けます。ところがヒトはこの増殖因子を作る能力が年齢とともに低下していきます。

<サイトカイン>
自然治癒力や免疫能力を賦活したり、過敏になった免疫細胞を制御したり、免疫システム全体のバランスを調整・回復する働きがあります。

<RNAリボ核酸>
細胞の設計図はDNA(デオキシリボ核酸)という言語で書かれています。そのDNAで描かれた設計図を翻訳し、それに基づいて細胞を合成する物質がRNAリボ核酸です。
このRNAリボ核酸には、強力な抗酸化作用があります。DNAの突然変異、すなわち「ガン化」には活性酸素などの「フリーラジカル」と呼ばれる物質によるDNAの直接的な酸化が最大の原因の1つと言われていますが、RNAには、酸化を強力に抑制する作用があることがわかっています。

プラセンタ注射剤にホルモンは含有されていますか?

元来プラセンタには女性ホルモンなど多種のホルモンが含有されていますが、注射剤はホルモンをその前駆体まで分解した状態です。
したがって、乳がんや子宮がんを経験された方や子宮内膜症の方などにも安心してプラセンタ注射をご使用いただけます。

プラセンタの原料を教えてください。

当院では、日本国内で満期正常分娩によって出産した「ヒト」のプラセンタを原料としています。

原料となるプラセンタは、出産されるお母様の血液検査を実施、ウィルス等で汚染されている可能性のないことを確認したうえで収集します。また、1980年1月以降にヨーロッパに通算6カ月以上滞在経験のある方のプラセンタは除外されます。

さらに、工場がプラセンタの原料を受け入れる際に、5つのウイルス<B型肝炎、C型肝炎、後天性免疫不全症候群(エイズ)、成人T細胞白血病、リンゴ病>について、改めて検査することでその安全性を再確認しています。

これに加えて、最終製造工程では、未知のウイルス汚染対策として、プラセンタの高圧蒸気殺菌も行っています。
このような2重、3重の安全対策を経て製造されたプラセンタの製品は、最終製品試験でウイルス等の病原性物質に関する確認試験が行われ、安全性を最終確認したうえで出荷されています。