2019/05/14 更新
確実な避妊効果が期待できる低用量ピル(低用量経口避妊薬)ですが、個人差はあるものの、それ以外にもいくつも優れた効用があります。低用量ピル(低用量経口避妊薬)は、うまく活用することで、女性にさまざまなメリットをもたらします。
生理(月経)周期が規則正しくなる
低用量ピル(低用量経口避妊薬)は一般的に21日間内服、7日間休薬します。つまり正しく服用すれば28日周期となる。つまり、自分自身で生理(月経)の周期をコントロールできるのです。
生理(月経)痛の緩和、月経量の軽減
生理(月経)中に増殖する子宮内膜には、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が含まれています。このプロスタグランジンが過剰に分泌すると子宮の収縮が強まり、結果として生理(月経)痛を引き起こします。しかし、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を内服すれば、子宮内膜の増殖が抑えられプロスタグランジンの量が減りますから、生理(月経)痛の改善や月経量の軽減が期待できるのです。また月経量が減れば、貧血症状も軽減します。
月経前症候群(PMS)症状の緩和
月経前症候群(PMS)症状は、女性ホルモンのアンバランスによりイライラや頭痛、腹痛など月経前3〜10日間に心身に起こる不快症状ですが、生理(月経)が始まると減退、消退するのが特徴です。実に、全女性の50〜80%が月経前症候群(PMS)症状を経験するという報告もあるほど、月経前症候群(PMS)症状に悩まされている女性は多いのです。この治療薬として効果を発揮するのが低用量ピル(低用量経口避妊薬)です。
ニキビの治療
低用量ピル(低用量経口避妊薬)を内服することで女性ホルモンがコントロールされ、皮脂腺の活動を抑制、ニキビのできない肌質に変えていきます。 ただし、低用量ピル(低用量経口避妊薬)の種類によっては、症状を悪化させるケースもありますので、必ず医師の管理下での治療が必要です。
その他
他にも、低用量ピル(低用量経口避妊薬)は、以下の効果が期待されています。
- 子宮内膜症の進行抑制と症状改善
- 良性乳房疾患の減少
- 子宮体がん、卵巣がん、大腸がん、骨粗しょう症のリスク低減
- 関節リウマチの減少
監修
医療法人皓慈会 浅川産婦人科理事長・院長 浅川恭行
経歴
1993年 | 東邦大学 医学部卒業 |
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1999年 | 社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
2007年 | 東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院) |
2007年 | 日本産婦人科医会 幹事 |
2009年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事 |
2017年 | 医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長 |